「あなたは反省してるんですか!」声を荒らげる弁護側(産経新聞)

【足利再審 元検事語る(7)】

 《宇都宮地裁で開かれている足利事件の再審第5回公判。菅家利和さん(63)を取り調べた森川大司・元検事の証人尋問が続く。18年前の取り調べで菅家さんから「虚偽の自白」を引き出したことについて、弁護側の追及はさらに厳しさを増していく》

弁護側「平成4年12月8日に(菅家さんが)自白したことは虚偽だったわけですが、証人を含め、検察側は絶対的な間違いをしたことになりますね。正しいことをしたと思ってるわけですか?」

森川元検事「12月8日の否認供述は、当時のほかの証拠関係からして、自分の罪を免れるためだと思ったのです」

弁護側「今になってみて、どう思うんですか。無実の人の話に耳を傾けないで、罪を負わせたこと。あなたは反省しているのか」

森川元検事「再審が開始したことは分かっているが、当時の証拠が誤っていたかどうか。再審の証拠関係について、私は分からないのでお答えのしようがない」

弁護側「証人は、12月8日の取り調べで『君と同じ体液持ってる人が何人いると思ってんの?』と言って菅家さんを黙らせた」

森川元検事「別に黙らせたわけではない」

弁護側「菅家さんは、お兄さんあての手紙で『DNA鑑定は間違っている。もう一度調べてほしい。絶対にやってない』と訴えている。あなたは当時、この手紙に目を通していますよね」

森川元検事「覚えていません」

弁護側「平成4年の段階でDNA型の再鑑定を行っていれば、菅家さんは無実の罪を着せられなかったのではないですか」

森川元検事「それは分かりません」

 《あくまでも、当時の捜査の在り方を否定しようとしない森川元検事。弁護側は、質問を2つの別件を不起訴にした理由に移していく。切り口を変えて、別の答えを引き出そうという狙いだ》

弁護側「平成5年2月に別件事件を不起訴にした理由は?」

森川元検事「当時の証拠関係などを判断して…」

弁護側「嫌疑不十分ですね?」

森川元検事「はい」

弁護側「別件について不起訴にしたのは、テープを録って慎重に検討したからですね。本件の検討は慎重さに欠けたということですね」

森川元検事「いいえ、慎重に検討しました」

弁護側「菅家さんが、自白した理由を「警察の取り調べが怖かったから」と言ったのを覚えていますか」

森川元検事「言ったかもしれないけれど、私はそこまでは…記憶にないです」

弁護側「菅家さんが公判で全面否認に転じたとき、菅家さんのした話が頭をよぎりませんでしたか」

森川元検事「分かりません」

弁護側「公判で、菅家さんは、裁判官に『無実なのにどうして自白したのか』と聞かれ、『反省して…』と言った。無実なのに反省するという、矛盾したことを言ったわけです。こう言ったのは、証人が『法廷で反省の色を見せないと…』と言ったからではありませんか? 菅家さんは『法廷で否認したら死刑になるかもしれない』とあなたに思い込まされていた。この問答を聞いても何も思いだしませんでしたか?」

森川元検事「覚えていません」

弁護側「菅家さんが(平成5年1月28日の)第7回公判で再び自白したのは、あなたが『法廷で否認したら、反省してないと思われて死刑になる』と言ったからじゃないですか」

森川元検事「…」

 《弁護側は、さらに、菅家さんの話に耳を傾けず、菅家さんが犯人との前提で取り調べを続けた森川元検事を問いただす》

弁護側「公判で菅家さんが否認に転じた後、証人は、論告で『被害者に対する真摯(しんし)な反省の態度が認められない。被告人は社会的に危険』と述べている。菅家さんは無実と分かった今、あなたは反省していますか」

森川元検事「今の証拠関係は分からないので、当時の証拠関係を前提に判断したまでです」

弁護側「自分自身は反省しなくていいのか」

 《弁護側の質問に、検察官が異議を唱えると、弁護側は「あなた方は証人をかばうのか」と反論。この言葉は、裁判長からもとがめられ、質問を変える》

弁護側「『自分は無実だ』と(当時の)弁護側に訴えた平成5年5月31日の手紙の中で、(菅家さんは)『当日、本当は自分はこうしていた』ということを書いている。これは菅家さんが平成4年12月7日にあなたに話したことと完全に一致している。この手紙を読んだときに、自分が12月7日に聞いた話と同じだと思わなかったのか?」

森川元検事「手紙を読んだかどうか分からない」

弁護側「5月31日の手紙で、(菅家さんは)『事件当時、自分は借家にいた』と書いた。それをあなたは、(平成5年6月24日の第10回公判での)2度目の論告で、『借家にいたことは5月31日になって初めて言い出したことだから、偽りだ』と言ったでしょう?」

森川元検事「そうですか?」

弁護側「あなたはまじめさに欠けてるじゃないですか!」

森川元検事「私を威嚇してるんですか?」

裁判長「威嚇的です。冷静に」

 《森川元検事の受け答えに興奮する弁護側に、冷静になるように声をかける裁判長。激しいやり取りは続いた》  =(8)に続く

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